石榴館は、明治期に建てられた元伯爵邸なんだけど。 ある雨の日に、その家の娘がその屋敷に取り付く化け物に殺されてしまったんだって。 娘の部屋の異変に気が付いた母親が娘の部屋の扉を開けた瞬間。 背後の窓から丁度雷が光って、化け物の顔が照らしだされて、赤い瞳がギロリと母親を見て。 そしてその口元は、娘の血で真っ赤に染まっていたんだって。 母親はそのあまりの恐ろしい光景に気を失神してしまって、朝目覚めた時、血の海になっていた娘の部屋は綺麗になっていて、母親の見た光景が果たして本当なのか否かは分からないから、結局娘はその日から行方不明になってしまったらしい。 母親はショックのあまりその日から気がおかしくなってしまい、その屋敷では不審な音や現象が起こり出してしまったので、家族は娘の幽霊が彷徨っていると思って色んな方法を試したらしいんだけど、結局それは収まらなくて、家族はそこから出て行ってしまったらしい。 その屋敷はその日から、娘の好きだった花にちなんで、『石榴館』と呼ばれる様になった。 娘の部屋は雨の日になると、血で真っ赤に染めあがると言うよ・・・ 新月の雨の日の夜中に大学に行ってはいけない。雨が石榴館への道を繋げてしまうから。 石榴館に彷徨ったら最後、もう戻れないよ・・
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